ひつじのにっき

mhidakaのにっきです。たまに長文、気が向いたとき更新。

DroidKaigiの裏側 〜当日運営のまとめ〜

2015年4月25日、DroidKaigiが無事に終了しました。このエントリでは運営責任者として関わってきた内容、特に当日の運営側の作業についてまとめます。深夜にまとめてるのでフランクな口調が出ているかもと思いますが、ご了承ください。

当日は満席、立ち見も続出、ハッシュタグTwitterのトレンドに入るほど活発に交流がありました。「DroidKaigiは参加者、スピーカー、運営スタッフ、みんなで作ったカンファレンスだったんだなぁ」というのが伝わってきた一日でした。この場を借りて、参加者、スピーカー、ご協力いただいた関係者の皆さんにお礼申し上げます。正直Twitterトレンド入りは驚いた!

実のところ、あまりの熱気だったので熱を冷ましてからブログを書くかー、と思って一週間寝かして、今まとめてます。結局あんまり冷めてないのですが。運営として関わった一日は、終わってしまうのがもったいなかったと言えばいいのか、ようやく終わったと言えばいいのか、それすらわからないぐらいに、すべてが予想を超えて、あっという間に過ぎてしまった一日です。せっかくなので運営(というより私)の視点で詳細にまとめておきます。


https://twitter.com/consomme72/status/591888965931675648 より。当日の様子です。これは当日「せっかくだから会場全体の写真がほしいなぁ、、」と控室でつぶやいたところ、FiresideChatの際に(yanzmがひろってくれて)撮れた写真です。大事にします。

以下は400人規模のカンファレンスを運営する側として経験した内容をそのまま書いているので読者の運営ノウハウの一部になれば幸いです。

運営側のタスクを中心に抜き出してるので俯瞰すると過不足があるかもしれません。また当日の感想がたくさんブログにあがってました。どれもエゴサして読んでます。たぶん「どんな雰囲気だったのか」は責任者にきくより参加者の生の声を読むほうがいいと思います。参加者&スピーカーのブログ記事をあらゆる手段でピックアップしておきましたのでそちらも読んでみてください(記事の末尾にまとめています)。

DroidKaigiは、エンジニアが主役のAndroidカンファレンスです

このブログを読んでいるみなさんならすでにご存知だと思いますが、DroidKaigiを説明するときに上記の言葉を使うようにしてます。運営スタッフもエンジニアを中心に構成されています。もちろんデザイナーさんもいて、Webやシャツ、ステッカー、パンフレット、アプリなど、自分たちで作りました。情報共有には、Slack、GitHubを使いました。改善点もあると思いますがメールでやりとりするよりは全然良かったです。

当日までのスケジュール

締切ベースでの時系列を紹介します。カンファレンスから逆算した大体の日程感で記述しています。

  • 4ヶ月前:実行委員会の発足
    • キックオフ&役割分担
    • 会場探し
  • 3ヶ月前:CFPの募集を開始
    • Webサイト公開
  • 2ヶ月前:CFPの採択
    • スピーカーさんへの連絡
    • セッションの公表
    • Webサイトリニューアル
  • 1ヶ月前:カンファレンス申込の開始
    • タイムテーブル確定
    • 懇親会申込の開始
    • Twitter公式アカウントなどで逐次告知

今回のスタンスとして、セッション内容を確定させてからカンファレンスの申し込みを始める方針だったので、このようなスケジュールになりました。中身を見て興味を持って来てほしい、という気持ちでした。
感想として、4ヶ月はわりとギリギリだったなぁ、と思います。2セッションを平行して実施する形式のため会場の選定が一番のポイントでした。東京とはいえ大きな会場は限られており、土曜、日曜の空きが少なく埋まっていることが多かったです。
(会場関係では無線LANと電源も課題でしたが、無線LANの設備があり、電源についても半分の席で供給できました)

余談

DroidKaigiとDanKogaiゲシュタルト崩壊先にDanKogai氏がいる事実に、実行委員会の誰も気づいてませんでした。

当日の配布物の準備

会場系のタスクは比較的(作業量が)重いものが多かったとおもいます。当日の準備物については以下の感じです。

  • 4週間前:Tシャツ準備
    • デザイン入稿
  • 2週間前:配布物の準備
    • ステッカー入稿
    • パンフレット入稿
  • 1週間前:フード、会場備品系の準備
    • 会場での案内表示、腕章、ペン、名札など備品の発注
    • 懇親会でのピザや飲み物の発注
    • ランチ(軽食)の発注

上記以外にもDroidKaigiでは怪我、機器破損などのトラブルに備えてイベント保険にも加入していました。使わないに越したことはないので、行使せずにすんでホッとしています。

7:45に集合!

当日スタッフは25人程度、準備のために7:45に会場に集合しました。どうみても通常の出社時刻より早いです。みんな、気合いれてきてました。

9:00開場にあわせて座席、椅子、受付の準備にとりかかります。会場となるセミナールーム(ルームA、ルームB)の外では業務を行っていますので、ピーク時に廊下にはみ出ないことを念頭に受付を設営しました(参加者のみなさんが早めに来場してくれたおかげで杞憂に終わりました)。

こちらの図は設営のためのスタッフ資料から拝借。ちょうどこのような感じでレーンを作り、名札、パンフレットを配布しました。事前のお願いで紙で参加証を持ってきてほしいとアナウンスしたことを覚えてる人がいるかもしれません。これは受付に人が滞留しないようにという配慮でした(やっぱり紙が早い、という結果ですが…)。

開場後の仕事

スタッフはそれぞれタスクが割り当てられてて、ルームごとに司会と受付を用意していました。


基調講演とランチ、懇親会のタイミングで扉の開閉があるため、手があいているスタッフで対応します。


おかげさまで立ち見のセッションもあり席が不足した場合は予備の椅子を追加する&入口付近で埋まってしまわないように誘導する、など細かく様子を伺ってました。この写真では後ろのほうは椅子のみです。


ランチ、懇親会ではテーブルを動かしてフードを並べます。30分ぐらい前に到着するので事前に受け取っておいて、時間になったら並べるなどセッションの裏側でこっそり作業してました。さすがに重いので搬入は台車を活用してます。

全体を通して午前中が忙しく、午後になるとすこし落ち着きます。その間にささっとみんなご飯食べたり休憩したり。

費用面

DroidKaigiの会場は、サイバーエージェントさんにサポート頂きました。打ち合わせの中でランチについても負担いただけることになりました。またTシャツについてスタッフ、スピーカー分をリクルートさんにサポート頂きました。両社にはDroidKaigiの趣旨に賛同いただき、当日会場では宣伝などはありませんでしたが、ありがとうございました。

またTシャツの通販/当日分は、最終的に116枚が販売されており、こちらもイベントTシャツとしては驚くほど売れています。Tシャツの販売価格2000円のうち、500円がDroidKaigiの運営費に当てられています(事前の告知通り)。ご協力ありがとうございました。
その他、寄付、募金などの問い合わせは、実はたくさんいただきました。しかし、金銭を扱うタスクは非常に神経を使うため、その分、良いカンファレンスになるように力を注ごうという主旨で今回はお受けしませんでした。お気持ち、たいへん嬉しく思っています。

DroidKaigiの費用面では実行委員会の負担分が軽減されて残りが手弁当となる予定です(反省会をまだやってないので未確定)。負担は当初考えていたより小さく、そう大きな額にならなさそうです。
大きなイベントだと運営の負担が話題に上がることも多いですが、この辺りがなかなか難しいのだろうなぁ、と思いました(こなみかんですが)。

まとめ

めっちゃたのしかった!

実は、当日のアンケート結果もあるので追って統計データを紹介できれば、と思ってます。

運営スタッフの記事とか

実のところ、大体の内幕は、メンバのみんなが書いてくれてます。まとめでは省略したところが多いので興味があれば合わせて読んでほしいです。

Android開発者カンファレンス「DroidKaigi」のCFP受付は2/25 本日までです

この日記は開発者向けのAndroidカンファレンス「DroidKaigi」Call For Papersの受付期限のお知らせです。

「DroidKaigi」には責任者としてかかわってきました。現時点でCFPには46の応募があり、ここ数日は特に勢いを感じています。

- 応募されたトーク一覧

CFPの受付期限は本日24:00(この時間を過ぎて事務局担当者がWebからリンクを外すまで)です。お考えの方はお急ぎください。

- http://droidkaigi.github.io/

次回の「DroidKaigi」Webページ更新は、3月中旬のタイムテーブルの発表です。締切から少し間が空きますが(発表者さんとの調整、タイムテーブルの作成、Webページ作成があるためどうしても時間がかかりそうです)気長にお待ちいただければと思います。

Android開発者カンファレンス「DroidKaigi」開催にあたって

4月25日に、開発者向けのAndroidカンファレンス「DroidKaigi」を開催します。

- http://droidkaigi.github.io/

今回は責任者として関わってます。このエントリはイベント開催の告知です。開催にあたって何か残しておきたかったので書きました。現在進行形なので諸々いったんまとめておくか、という個人的な気持ちもあります。
またDroidKaigiでは現在、スピーカーを募集中です。ですのでエントリを読んで「スピーカーとして話してみたいな、チャレンジしてみたいな、参加してみたいな」と思ってもらえたら嬉しいです。

開催の目的

ざっくりと一言にまとめると、Android技術情報の共有とコミュニケーションが目的です。

Androidが世に出て6年が経ちました。時が流れるのはほんとうに早いです。もはや革新性というより、現在は定着したプラットフォームとして利用されることが多くなっています。Android WearやAndroid Auto、Android TVなどモバイル以外の分野に適用するべく、機能追加と試行錯誤が行われています*1

Androidの利用シーンは多岐に渡り、一人ではとてもカバーしきれなくなってきました。カンファレンスを通して業界全体で知見を共有し、より良いソフトウェア開発に繋げていきたいです。

開催の経緯

有志のAndroid開発者(個人)が中心となって準備しています。ボランタリーベースで費用面とかは手弁当で進めています。開催のきっかけは、クックパッドさんのpotatotipsという勉強会での雑談でした。勉強会はエンジニアが技術をテーマにはなして知識を共有できる、わりとIT業界独特の習慣だと思います*2

こういう場でのディスカッションは思わぬ発見があることが多くて、Androidをテーマに、開発が持ついろんな疑問、たとえば「どう実装したらいいんだろう」「普段の業務以外の分野を知りたい」「新しい技術の話が聞きたい」「聞いた手法を使ってみたい」が解決できる場を作りたくなった、ということが動機です。DroidKaigiに行けば技術のトレンドがわかる、知りたかったことがわかった、そんなカンファレンスになればいいな、と考えています。

個人的な経緯

個人的には凄く単純で、Androidの技術的なはなしを聞きたいという理由で取り組んでいます。

5年前、TechBoosterというAndroid開発情報のブログをはじめたころは新しい技術としてのAndroidに夢中でした。英語が苦手なのも忘れて(翻訳ツールを片手に)リファレンスを読み漁り、コードを書き、まとめることで好奇心が満たされました。このころAndroidという技術を通して多くの人に出会い、今でも仲良くしてもらっています。

最近では、Androidの商業書籍を執筆したり、ABC2014sでEffectiveAndroid*3トラックとして技術的なセッションを企画してみたり、オープンソースAndroidの教科書を作っていたり*4、同人誌を作ったり*5、とプログラミングに関わることが楽しくて仕方ありません*6

また技術に触れるためには、まとめて発信するという場もどこかに必要で不可欠なプロセスなのだろう、と思うようになりました。少し乱暴ですが、それなら話を聞きたい人が実行委員会を作って運営してみようよ、というわけです。

はじめてイベントに参加したときは少し緊張したことを憶えています。はじめて勉強会で発表するときは不安で、とても時間をかけて準備していました。

今回はじめての開催となるDroidKaigiがどのようなイベントになるかは終わるまで分かりませんが、開発者(スピーカー・一般参加者)が良いプラクティスに触れられる場であればいいな、と思います。またそのために、できるかぎり開かれたカンファレンスでありたいです。

DroidKaigiではスピーカーを募集してます

最後に。DroidKaigiではスピーカーを募集してます。アプリ開発手法、便利なライブラリの使い方、やってみた、なんでも結構です。トピックも一応わけてありますが参考です。応募は重複どんと来い、です。みんなで開発の苦労を共有してみませんか。

興味がでたら是非、下のリンクをクリックして応募してください。

*1:そしてこのようなチャレンジが順風満帆なわけではないのは、みなさんご存じのとおりです

*2:それだけ技術の進歩が早いということかと。楽しい業界です:)

*3:http://d.hatena.ne.jp/hdk_embedded/20131213/1386879188

*4:Android Open Textbookプロジェクト

*5:http://techbooster.github.io/c87/

*6:関係いただいてるみなさま、ありがとうございます