技術書典サークル参加アンケート結果と分析
ひつじです。技術書典2のサークル参加申込受付にあわせて技術書典のサークル参加アンケートを公開します。
技術書典とは
技術書典とはTechBooster(ひつじが代表の技術書をかくサークル)と達人出版会(電子の技術書出版社)が主宰している技術書の即売会です。広く技術のことについて知れるお祭りです。
技術書典2は2017年4月9日開催、サークル参加受付中!秋葉原UDXホール(アキバ・スクエア)です。本エントリを読んで興味がでたら是非お願いします
アンケート結果を見る前に
アンケートの前に技術書典について簡単にご紹介です。
開催情報
第1回 技術書典
日時:2016年6月25日(土)11:00~17:00
場所:秋葉原 通運会館
サークル参加:合計57サークル(個人48・企業9)
来場数:1400人
初回とは思えないほどの盛況で最大で1.5~2時間の入場待ちが発生しました。当日の様子は次がわかりやすいです。
200平米程度の小さな会場にこれだけの人数が集まって事故が一切なかったのはサークル参加者、一般参加者みなさんの協力も欠かせなかったと感謝しています。ウェブには参加レポートなどがあります。またあらためて。
本の対象範囲
技術書とは、「ITや機械工作とその周辺領域について書いた本を指します。 ソフトウェア、ハードウェア、開発環境、コンピュータサイエンスからその他科学・工学全般などのジャンルを対象としています。
たとえばプログラミング解説書のように現存する技術要素の解説を行うもの、架空の工学、未知の科学技術なども対象です。 また作ってみた、やってみた、など体験談や考察、上記のジャンルに付帯した開発効率を高める方法のようなライフスタイルも歓迎します。 自分の積み重ねてきたマニアックな技術や成果、ノウハウを詳細に書き記し世に広めたいとは思いませんか?
技術書典はハード、ソフト、機械、科学、エンジニアリングに関わるその他ライフスタイルや考察など技術ジャンルを問わず「技術」をテーマにしたお祭りです。たとえばTechBoosterは主にソフトウェア、あとハードウェアちょっとを扱っています。
アンケート結果
アンケートは38サークルさんの回答をいただきました(回答率66.6%)。アンケート結果は統計情報なので、技術書典2で必ずこれだけうれる!という感じではありません。また各項目必須ではない&多値回答可能ですので合計値が38ジャストになるわけでもありません。
- サークルの25%は執筆が初めて
- 新刊部数は50~100が頻出値
- 参加者総数1400名、平均して技術書の購買は5.5冊/人
参加サークル調査
執筆活動について、初めての人が概ね25%でした。一方で商業誌へ寄稿、著書があるなど活躍されている方々も30%程度いました。初心者でも歓迎、プロもいるよ、というバランスは今後も維持できればいいな、と思います。
技術書典では初心者向けの同人誌の制作、執筆勉強会を定期的に開催しています。
https://techbookfest.connpass.com/ メンバーになると勉強会の開催時に通知が届きます。プロの編集さんや出版社さんからゲストをお招きしてます。
持込部数
当日、持ち込んだ数はサークル平均166部でした。新刊の最頻値は100部、ついで50部、既刊では30~50部などの回答が多かったです。前回の1種あたり搬入部数については50~100部が目安だったのかもしれません。
価格帯はアンケートを取っていません。500~1000円の範囲が多かったですが、300円や1500円などもあり、各サークルさんごとにさまざまです。TechBoosterは1冊1000円です。
追記:「平均持込部数にTechBoosterは含まれますか?」「Yes. 中央値は100あたりです」
頒布部数と完売率
当日の頒布部数はサークル平均137部です。完売率は82.6%です。持ち込んだ本のうち8割超が売り切れて在庫がなくなった計算です。14時頃に50%のサークルさんで新刊、または既刊いずれかが完売になっています。
アンケート結果から読み解くと開始1時間で10%のサークルは頒布物がなくなりました。14時(開始3時間)の段階で50%のサークルの頒布物(新刊or既刊)がなくなりました。
追記:「平均頒布部数にTechBoosterは含まれますか?」「Yes. 中央値は100~120あたりです」
頒布情報
これらの情報より推定すると、当日の全サークル頒布数は7800冊前後、参加者一人あたり5.5冊を購入した計算です。8000冊弱の技術書が1日で流通したようです。スタッフが終了間際に体があいたのでようやく回ったところ「ほとんど完売しててめっちゃほしかったのに買えなかった…」と述べてました。やはり早めに行かないと頒布物が無くなる、、、のは当たり前なのですが今回はそれにもまして想像以上に早かったようです。
入場待機列と一般参加者さんの様子
当日の待機列はぐんぐんのびて開場時は次のような状態でした。
技術書典に来たが、すでに一般参加者が来すぎて列形成をストップしてるそうです。10:30 頃また来てくれとのこと。いやー大盛況素晴らしい! pic.twitter.com/pUVMzJFTik
— KOYAMA Tetsuji (@koyhoge) 2016年6月25日
実はこれまだ途中の写真で、最終的にビルのブロックを一周してアキバのメインストリートに出そうになりました。200名並んだ時点で列成形を中止し、整理券による入場規制がかかり、終了30分前の16時30分まで入場規制が続きました。
技術書典は11時に一般入場を開始しました。並んで頂いてた100~150名が入ったのですが新刊50部で人気がでた、というケースは瞬殺に近かったと思います。一方で十分な数を搬入していても14時には売り切れというケースが目立ちました。
途中、キンコーズや印刷所からのオンデマンド印刷、周囲の同人ショップからの引き上げなど再搬入を試みたサークルさんも数サークルあり、開場で「再入荷しました!」と声が上げると参加者から拍手が起こる、大変感動的なシーンでした(なお私が見たケースだと再入荷分も瞬殺されてました)。
これらは圧倒的に来場者数が多かった結果です。大変ありがたかったのですが多くの参加者さんから「どれもこれも欲しいが買えなくて大変悔しい。どうにかなりませんか!!」と(みなさん思い思いに楽しんでくれてる様子で笑顔でしたが)ご意見を貰いました。今回のアンケートは技術書典2への参加を検討しているサークルさんが用意する品種、部数の参考になれば、と思って公開しています。
閑話休題
1:全然なかった~5:十分あったの5段階評価です。
入場規制では一般参加者さんに大変おまたせする結果となりましたが、会場内では話す余裕ができた形です。当日のスタッフは整理券配布になった段階で目標を「内部のキャパシティ管理とスムーズな入場案内」に切り替えており、インカムを使ってフロアごと流量調整していました。概ね好評をいただいたようでホッとしています。一般参加者さんにはTwitterアカウントを通じて入場可能時刻を随時更新して、番号のアナウンスがあればすぐに入れるように運用していました。
展示方法は見本誌が一般的でした。電子書籍での頒布の場合でも見本誌は1冊用意してたほうが良さそうです。ハードウェア系などモノがある場合は実演が好評を博してました。
ありがとうございます!!!またサークルさんのなかには技術書典の同人誌がきっかけで技術書を商業書籍として出版された方々もいらっしゃいました(イベントには出版社さんもでてました)こちらも別の機会で紹介できればと思います。
技術書典2はパワーアップして帰ってきました
技術書典2は2017年4月9日にアキバ・スクエア(秋葉原UDX)で開催します。ただいまサークル申し込みを受付中です。本エントリを読んで興味をもった方は是非サークル応募をお願いします。来場者数は2000超を想定してスムーズに運営できるよう今からスタッフ一同頑張ってます。
DevFest Tokyo 2016のAndroid関連セッションのイチオシ
どうも、ひつじです。DevFest は、Google Developer Group (GDG) コミュニティによって世界各地で開かれるデベロッパー向けイベントです。
いろんなコミュニティが集まってワイワイするお祭りのようなものですね!
日付を見たら分かる通り、本日10月9日が本番です。いまも準備中で慌ただしく動いてる中、このブログポストは書かれています。
追記:もう開始まで1時間を切り、めっちゃ慌てて書いてます。ちょっと雑なところもありますが大目に見てもらえると…。
色んなコミュニティが集まっているので自分がすきなジャンルを聞いてもよし、知らないジャンルに突撃するもよし、の何しても幸せになるセッション構成です。
通常のセッション以外にもその場で講演内容を決めちゃうアンカンファレンスやコードラボなどもりだくさん。せっかくなので個人的注目なAndroid関連セッションをご紹介です。当日のセッション選択の参考になればうれしいぞ!!
DevFest Tokyo プログラムリスト
さぁ聞いてくれ、一番手はこのセッションだ!!
13時40分~ Video Streaming on Android(ホール)
最近GDEになったわさびーふさんによるExoPlayerの解説です。動画というと死ぬほどニッチに聞こえるけど(実際そう。)それが1ジャンルとして確立するのがAndroidの懐の深さ。ホールが寂しかったらとても悲しいので本人はめっちゃ来てほしそうにしてます!!
わさびーふさんはこんな感じで色んなLibraryをつくってるお兄さんです。
13時40分~ Modern CSS: architecture, future specs and build flow
2番手が全然Androidじゃないけど最近ひつじが困ってるCSSのお話なのでいれました。こっちもめっちゃ気になります。なんでウェブの世界はElementの中央寄せがあんなに難しいんだ!!!という自分のスキル不足をなんとかしたい…
13時40分~「Nested Scrolling: living life on the edge 」「Spotlight on Android Studio 2.2 features」
こちらはなんとGooglerがきてくれました。13時40分からの枠はほんと悩ましいな!!!Chris BanesさんとWojtek KalicińskiさんはGoogle UKのひとたちだ!荒木くんさんの同僚でDesign SupportLibraryでお世話になってる人もおおんじゃないかな!!UIの話は鬼に金棒ってかんじするぞ。聞いておいて損はない!
14時35分~ Android Architecture Blueprints
アプリ開発、困ってることありませんか。僕は設計で困ります。なんと今回、Google謹製サンプルである↓のリポジトリをメンテナンスしているJose Alcérreca本人がきて話してくれる、神かよ的セッション。
設計に悩んでる人はここでヒントを貰うと爆速開発になる可能性がワンチャンあります。最近Android開発が難しいな、と感じてる人が聞くと一番よいんじゃないかなー。
残念ながらこのセッションは中継ないのでどうしても、というひとはぜひ来てね。
14時35分~ 初心者のための RxJava
RxJavaってなんだろう?気になるけど乗り遅れちゃったなという初心者のためのセッション。スピーカーの黒川さんはとてもいいひと&わかりやすく説明するのがうまいので知らないことでも根掘り葉掘り聞けるぞ!Everything is a Streamだ!
(なぜ有名なのかはわからないんだけどよくでてくる犬の禅的ポーズ)
16時25分~ 「Animated Icons」「 In Transition」
スピーカーはNick Butcherと Ben Weiss。こちらもGoogle UK所属のGoogler。日本国内で直接話を聞ける機会がこれまであっただろうか。いや無い!みたいな気持ちで楽しみにしてます。どんどんアプリ開発はリッチになってアニメーションも手が込んできてます。いまやらなくても知識として知っておきたい、最新の手法を話してくれるに違いない(期待している)
ハンズオンやアンカンファレンスもあるよ
コードラボも用意してて、Androidテストや女性限定のアプリ開発ハンズオン、クラウドビジョンなど手を動かすもの、アンカンファレンスのようにその場で発表内容を決めるルームもあるのでぜひいろいろな部屋、コミュニティをのぞいてみて楽しんで下さい!!
英語系のセッションは敬遠するひとがおおいんじゃないかな、とおもってこの記事を思い立ちました。なので英語系中心に紹介されていたりします。もっと色んなコミュニティの紹介もできればよかったんだけど間に合わず(海外の人だと、どういうひとなのか調べるのも大変なので、簡単にでも参考になればうれしい)
現場からは以上です。たのしむぞ!!
DroidKaigi 2016でCamera2 APIについて発表した話
ひつじです。
DroidKaigi 2016に「カメラアプリはじめの一歩」というタイトルで登壇しました。
Android 5.0以降からつかえるCamera2 APIがテーマです*1
なぜCamera2 APIを選んだの?
Camera2 APIの特徴は自由度の高さです(その分、難しいけど)。
新技術にありがちだけどプラットフォームの普及が進まない→なかなか利用されない→技術情報が少ないまま→利用が進まない→やっぱり難しいぞ!っていう不遇な状況をなんとかするため、まとまった技術情報として提供したい、と去年から考えていたのですがDroidKaigiで、ようやく結実しました*2。
サンプルコードもあるよ
資料で使ったサンプルは以下のリポジトリで公開してます
カメラアプリはじめの一歩
カメラ機能の要件からはじまり、Camera2 APIの解説、カメラのステートマシン例、プレビューや撮影シーケンスの説明などカメラアプリを作る上で困りがちなところを中心にまとめています。
Camera2にまつわる話題のなかでもスタンダードなものを議論の中心におきました。APIの解説に集中してもよかったのですが、利用の前提となるアプリケーションでの機能要件(とくにCamera1 APIやIntentとの使い分け)やハードウェア制御など普段なかなか気にしない部分についても触れることでただのHowToではなく、全体を理解できるように気をつけました(せっかくなので技術的背景もふくめて楽しんでもらいたかった)。
なお、Camera2 APIがカンタンだと言うつもりは毛頭なく、難しいものだとおもって知識を整理してチャレンジするとなんとか登れるもんだよ、ということが伝わったらいいな、とおもって構成を考えてます。リクエスト、セッション、パイプラインというCamera2用語を知っているだけでもソースコードの読みやすさは段違いに向上します。
当日の感想
現在、DroidKaigiの運営スタッフさんが順次動画を公開してくれてます。解説の際にパラメータの説明で列挙体といった気がしてるのですが、実際にはstatic intで実装されているので訂正します(録画を見る場合は注意してください)。
動画がアップされたらここに埋め込む予定なので詳しくはそれを見てくれたらわかるんだけど、新しい技術について話せる場があるっていうのはすごく楽しかったです。FAQも含めてもっとディスカッションできたら良かったなぁ、と思うセッションでした*3。
おつかれさまでした!