ひつじのにっき

mhidakaのにっきです。たまに長文、気が向いたとき更新。

『Effective Android』発売に寄せて

このたび、執筆に関わった書籍の発売が決定しました。
『Effective Android』というAndroidの技術書でインプレスさんより2014/1/17(金)に発売されます。Amazonでの予約も受け付け中です。ぜひご検討ください。

『Effective Android』絶賛予約受付中

Effective Android

Effective Android

  • 作者: TechBooster,小太刀御禄,出村成和,重田大助,西岡靖代,宮川大輔,柏本和俊,あんざいゆき,八木俊広,木村尭海,小林慎治,有山圭二,中西良明,わかめまさひろ,新井祐一,桝井草介,久郷達也,寺園聖文,shige0501,山下智樹,前田章博,秋葉ちひろ,末広尚義,中澤慧,日高正博,塚田翔也,井形圭介,中川幸哉,山崎誠,山下武志,なまそで,橋爪香織,さとうかずのり,l_b__,ゼロハチネット,長汐祐哉
  • 出版社/メーカー: インプレスジャパン
  • 発売日: 2014/01/17
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
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本書は初心者向けの本ではありませんし「Effective Java」のようなデザインパターンアンチパターンめいた内容でもありません。Androidというプラットフォームをテーマに技術的な深さや、こだわり、知見を「開発者の視点」で解説したテクニック集です。
解説されているテクニックは定石を知る、デザインを知る、新機能を調査する、気になっているけど触れていなかった機能を使いこなす、経験から基づいた視点を示す、などさまざまです。本書をベースに活用や応用していただく、という意味でEffectiveと受け取っていただければと考えています。

経緯とか。

さて、堅苦しい話は、本書の「はじめに」を読んでいただくこととして、少し早いですが発売に寄せて、本書の経緯が実に珍しいので書き留めておきたいと思います。
本書は同人誌から始まり、電子書籍版、大幅なバージョンアップを経てインプレスさんより商業書籍として出版されるに至りました。

謝辞

はじめに一番大事なお礼から。

まず共著者のみなさま。ぶっちゃけるところ同人誌や電子書籍で30人もいたら印税など金銭的な見返りがほとんど期待できないにも関わらず、執筆にあたり多くの知見と時間を提供いただきました。また相互レビュー、制作へのアドバイスなど有形無形問わず、多大なご協力もいただいてます。共著者は単著/共著/月刊誌/講演/発表など多くの媒体でご活躍されている方も多く、深い専門知識を持ったAndroidのエキスパートです。これだけのメンツが集まって本書を作れたことは奇跡に近く、このような形で世に送り出せることを大変幸せに思います。本当にありがとうございます。

また執筆活動を支えてくださった共著者のご家族のみなさま、特に締切に追われた執筆者を温かい目で見守り、不満を隠して支えていただけたことは望外の喜びです。書籍制作にあたりご協力いただいたデザイナさん、販売に協力していただいた方々のサポートはとても心強く、助かりました。(現在も作業に追われていますが)紙の本の制作にかかわっている皆様においては紙面として耐えうる品質まで協力いただきました。ありがとうございます。

忘れてはならないのは同人誌版、電子書籍版をご購入いただいた読者のみなさまです。ブログ、タイムライン、Facebook等々で『Effective Android』に関して多くのフィードバックを頂戴しました。
読者のみなさまが『Effective Android』を買っていなければ商業書籍としては成立しえませんでした。本当にありがとうございます。

今回、同人誌以来で、また紙の書籍に戻ってきました。気に入っていただけてましたら、まわりのみなさまに是非ご推薦ください。

『Effective Android』のなりたち

本書はTechBoosterという技術サークル(ひつじ)を中心に総勢33名により執筆されました。今となってはAmazonの著者欄の負荷テストのために企画されたと説明されても納得してしまうレベルですね。

また制作についても、インプレスさん版『Effective Android』では最終的に512p、3,360円(税抜3,200円)というボリュームになりました。技術書をよく買う方からするとページ数と価格が全く噛み合っていないことがわかってもらえると思います。ふつうは1ページ10円程度が目安で3600円なら360ページ、そんな計算です。こと本書にあたっては1ページ6.5円の大バーゲン価格。こればっかりは担当者のクビが飛ばないように売れることを祈るばかりです…(僕は圧力なんてかけてませんからね?)。

全てはコミケから始まった

思い返すこと4か月前…。あれやたら近いですね。おかしいなぁ。実は『Effective Android』は、2013年8月に開催されたコミックマーケット84(通称C84)で初めて世に出ました。そう、同人誌!

非常に好評をいただき、たった40分で売り切れてしまいました。十分な量を用意したつもりでしたが売り切れ後はひたすら完売を謝り続ける結果となって、これが後々の展開を考える動機となりました。
また当時のドタバタっぷりは以下に良くまとまっていますので、興味がある方はどうぞ。

この時の『Effective Android』は総勢22名、184ページ。執筆者=開発者であるため、それぞれがお互いの執筆内容をレビューしあうという形で詰められていきました。DTPの知識や編集さんのように文章を添削する技術を持った人がいるわけでもなく、すべてが手作りで、今思い返しても胃が痛くなるシーンが何度もありました(執筆に与えられた期間は3週間。知識0から組版までやる。入稿したら分厚くなりすぎてオンデマンド印刷できなかったとか)。

電子書籍の発売

多くの後押しのもと、2013年8月26日、達人出版会さまより電子版『Effective Android』が発売されました。この時はベータ版という名称で同人誌と全く同じ構成でした(現在、手に入れることはできない希少版です)。
ただいまも達人出版会さまで販売されているバージョンは正式版とよばれ、著者数33名、597ページ(電子版なのでレイアウトはタブレットに合わせてある)を誇る物量になっています。

Effective Android
TechBooster
達人出版会
発行日: 2013-08-29
対応フォーマット: PDF, EPUB

2013年10月19日の正式版に合わせて内容の大幅な変更が行わわれ、アプリだけではなく、プラットフォームやデザイン、ライブラリ、Gitなど周辺技術に及ぶまでフォローするようになりました。正式版に合わせて作成したポスターが↓です。

「書きたいことだけ、書きました。」共著者のひとり、vvakameが考えたキャッチコピーですが、これは実に的を射てました。エンジニアとして知りたい内容、興味がある内容、広く一般に知られるべきだと思った開発手法などなど執筆者が書きたいことだけを書いた本が『Effective Android』です。緻密な企画書があったわけでもないため体系的なつくりには成りえませんでしたが、Android開発をしている人たちにぜひ読んでほしい、そんな本になりました。

普段、執筆した本についてこんなに長々と書かないんですが、非常に思い入れがある分、色々と書いてしまいました。
本書の制作を支えた書籍制作ツールReVIEWについても素晴らしいツールでして、紙の書籍も2か月で出版までこぎ着けられました。こちらも機会を見つけて詳しくご紹介します。

コミックマーケット85参加のお知らせ

末筆になりましたが、ここから先は宣伝となります。
今回も、冬のコミックマーケットへ参加いたします。
2013/12/31、3日目 西す24a「TechBooster」でお待ちしております
(制作中につき詳細は続報をお待ちください)。
新刊は以下の4冊を予定しています。

Android 4.4特集「Feature of KitKat

Android 4.4の特徴を余すところなく解説します

EffectiveAndroidを支えたReVIEWがついに「はじめてのReVIEW」

今回もReVIEWでつくったら4冊合計400pが、できちゃいました。

Firefox OSの最新事情は「狐物語 -かえんフォックス- 」

―開発に「もえあがる」のはつきものだ―
Firefox OSの最新事情を余すところなく解説!

1冊で2度おいしい!両A面同人誌(表面)

ライブラリを活用してAndroidを魔法のように使いこなす!「Android MagicBook」
※特別付録「平成25年対応(かもしれない)リーマンAndroid開発者向け確定申告に関する何か」

1冊で2度おいしい!両A面同人誌(裏面)

ついにAndroid 1.5搭載ケータイが日本上陸!?「週刊Android Cupcake特集号」(ジョーク企画ですが本当に裏から読めるようにしています)