ひつじのにっき

mhidakaのにっきです。たまに長文、気が向いたとき更新。

技術書典で出会った良書たちを紹介するよ

本記事は【推し祭り】技術書典で出会った良書 Advent Calendar 2019の最終日として書かれた記事です。

mhidakaです。技術書典の主宰をしています。直近の技術書典7といってもすでに2ヶ月前ですが、前回は約1万人もの参加者が合計12万冊*1の戦利品をカバンにいれて満足げに帰路についています。🐑も満足だよ!!!!

最終日、何を書こうか悩んだんですが初期の技術書典でみつけた好きな本*2を紹介します。昔の技術書典のことはあんまり知らないよ、という声も聞こえてまして、毎回3割ぐらいが初参加で拡大基調してるし、そういうものだよなという気持ちなのですが、ここはひとつみんなで歴史を味わってみようじゃないかという試みです。

 それでは早速いってみましょう。何冊かあります。最初はおうちハック同好会さんよりおうちハック同人誌 Vol.1です。たしか技術書典2で購入した気がします。

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表紙が木で出来てる

おうちハック研究の成果をまとめた書籍で、見て分かるとおり、 木(合板)で加工した表紙が特徴です。

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合板なのにフワッと開く驚異の構造!

これがめっちゃよくできてて、背の部分の加工が蛇腹のようになってます。うーん、完璧。おうちハックという自分たちでやっちゃうぞ!ハックしちゃうぜ!っていうのが書籍の形でも表現されてて、マストバイ!ってきもちになりました。今もどこかで買えるのでしょうか。筆者は把握できていません…!なお感動のあまり購入後はこの本マジ構造がすごいと言いふらしてました。

 

 次です。かまずにまるのみさんの「プログラミング勉強中の人にオブジェクト指向とは何なのかなんとなく伝えたい本」です。こちらは超技術書典という技術書典2と3の間にあったニコニコ超会議と合同で行ったときのやつです*3

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圧倒的かわいさ・・・!

内容を説明するまでもないぐらい完璧にわかりやすいタイトルと手にとってくれといわんばかりの表紙です。書籍そのものもA5で28ページ。実際読みやすい。

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なんとなくわかった気になる本文とイラストのバランスは秀逸

 構成も工夫されていて要所でわかりやすいイラストが差し込まれています。そもそもタイトルが「…なんとなく伝えたい本」となっているので読む側も書く側も気負わず、筆者の伝えたいことがバランス良く詰まっています*4。難しいはずの事柄がサクッとよめる、しかも薄いので読みやすい。うーん、無限に買う。本を書く上で嘘をつかない・わからないことはわからないと書くというのはとても大事なポイントなので、うまく実現されているし勢い書いやすいというベストプラクティスじゃん!ってなりました。

ちょっと探したところ、BOOTHさんで取り扱いがあるようです。本書以外にもシールとかおいてあるので手にとってみてね。

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つづいてSecure旅団さんからの「俺らの愛したセキュリティ」です。これは技術書典4の書籍ですね(奥付を見ながら)。

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かわいいオルカ?が目印のセキュリティ合同誌

 セキュリティに関する話題って難しい領域なのでそこそこ頑張らないと知識が手にはいらないんだよなぁと思っていたら、さっそうと現れたのがSecure旅団です。たしか初参加は技術書典3だったとおもうんですがまたたく間に完売してて手に入らなかったんですよね。技術書典4では絶対にゲットするからな…!mhidakaが無限に買うから首を洗ってまってろ…!!っておもったんですがぼくの手が空いた頃にはなくなってた!!!そうだろうと思ったよ!!!

そのことを哀れんでサークルの方より献本してもらったのが今手元にある本です。余談を重ねますが本書は表紙込み148pとなっておりましてこれは技術書典におけるマジックナンバーのひとつです*5。そういう書籍の構造の細かいところを見て楽しむのも技術書典の楽しみ方のひとつです。

なおSecure旅団さんは精力的に活動されていて、毎回面白い話題を取り上げています。コミュニティベースでの活動が増えてきたのも技術書典3や4からですね。本書に限らずトレンドに則した書籍があるので大人買いしてみてください

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最後に紹介するのはriconkenさんの「ここからはじめる自作キーボード」です。たしか初出は技術書典6だったと思いますが、このときもやはり🐑が身動きとれておらず、後日コミックマーケット96で入手した気がします。

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キーボードとセットで購入したハードウェア入門書籍

キーボードにはコダワリがあって自宅ではRealForceを愛用しているのですが、ちっちゃな6つのキーがついた組み立てキットといっしょに頒布していました。書籍とキットがセットになっていたので迷わず買いました。はじめてのジャンルだったので結構ドキドキだったのですがハードウェアとノウハウが一気に手に入る…!僥倖っ…!なんという僥倖っ…!って気持ちで入手しました。本書の取り扱いは確認できませんでしたがBOOTHがあったのでご紹介しておきます!

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余談なのですが過去にもTechBoosterというmhidakaが代表をつとめる技術ジャンルのサークルでも自作ハードウェアゲーム機を(回路・筐体・販売パッケージふくめて)作ったことがあります。不慣れなこともあり様々なトラブル*6に巻き込まれて七転八倒しながら頒布した経験があります。これは自作キーボードだけではないんですが、ハードウェア制作のノウハウがギューーーーっと圧縮された書籍というのは、もうそれだけで貴重なわけなんですよ。物理が絡むとなかなか通販も大変だし、とイベントで出展を見かけると積極的に保護(買い求めることの愛情表現)するようになりました。

技術書典は技術書のお祭りを標榜しているため、書籍とハードウェア、両方置いてくれてる出展者さんが多いです*7。なので技術書よみながらノウハウを吸収してハードウェアも作って楽しめて、知識を得られやすいというのも魅力だと感じてます。慣れたら*8ハードだけ入手したり自作したりと夢も広がります!

技術書典の魅力

ここまで駆け足で4冊の技術書を紹介しました。著者自ら楽しんでるやってる様子はとても刺激的で、そこがお祭りの場であって、同好の士とコミュニケーションを取りたい!という気持ちが湧いてきます。今回紹介できた本はごくごく一部ですが技術書の魅力や毎回新しい発見があるのが技術書典だよ、というのが伝わったらいいなとおもいます。

繰り返しになりますが、技術書は、どれもこれも貴重な知識・体験・考えが集まった技術書です。BOOTHやイベント当日は、ぜひぜひお気に入りの技術書をみつけて買ってください!そして著者に感想を伝えてあげてください。ツイッターでもいいんですよ!エゴサしてると思うんで書名と一緒に「ここが良かった」をつぶやいてもいいかも。見つけたらめっちゃ高まるんで!!

 

次回の技術書典8は2月29日、3月1日の土日2日開催です!!絶対きてね!!!

techbookfest.org

欲を言えば…これは欲なんですが…!スポンサーも募集してるのでPushたのんます…!

2020年の技術書典は3回開催するよ

2020年は2・3月の技術書典8、7月の技術書典9、そして11月に技術書典10を開催します。11月のファンミーティングでもお伝えしたのですがオンラインの媒体には書いてなかったので書いておきます。

オリンピックがあるおかげで夏のビックサイトで開催してた各種大規模イベントが玉突き移動して技術書典で使える広い会場探しが難しくなってしまっている関係でイレギュラーに回数が増えてます。本来なら大きな会場を確保して年2でいきたい…!いきたかった!!

この取り組みを通じて技術との出会いが少しでも増やせるといいなと思ってます。もし技術書を書いてみたい!というかたがいれば技術書典は大歓迎です。技術への好きという気持があれば、回を重ねるごとにクオリティは後からついてくるはずです! *9です。コミュニティでの元気玉出展もよし、己の力を信じてソロでもよし!組版や印刷など困りそうなところは運営などでお手伝い*10しています。

お祭りたのしんでいこうな!

*1:12万冊、その重さはなんと…計算しようとして挫折しました。フェルミ推定の一種だと思うので思いついた方はメンションください。

*2:筆者の独断と偏見による

*3:この超技術書典は幕張メッセで2日間開催でした。技術書典8も2日間開催なのですが実は超も2日間あったのです!余談ですがこのときvvakameとkwappaさんが1日目に本を書いて、その場で編集して2日目に売る(印刷機を持ち込んでその場で製本した)という今考えても何かがおかしい企画がありました。なお沢山買っていってもらったので好評だったという2度見するような出来事でした

*4:多分伝えたいことはつぶあんのことではない

*5:理由は当時からバックアップ頂いている日光企画さんがB5判型148Pを超えると締切が2日前倒しになっていたからです

*6:AliExpressでかったArduinoのクロックが明らかに違うのがまじっててゲームスピードに影響するとか。筐体の製造に徹夜するとか製造中の不注意で指とパーツがくっついてしまったのでお湯ではがしたりと、あれはいい思い出でした

*7:書籍がなくてハードウェアやグッズだけ販売するというのは参加要項上、できません

*8:よしこれで作れるぞ!っていう気持ちになればそれはもうできる!!失敗したらそのときはそのときだ!

*9:内容に嘘をつかないとか(わからないならわからないって書いていい)、他人の権利を守るみたいなのは大事なんですが、クオリティが…みたいなのはやってるうちに身につけていく感性なので最初は気にしないでください。どんなプログラマーも最初は何も知らなかったはずです、初心者が迷わず楽しめて成長できる場に技術書典をしていきたいと思ってます

*10:毎回、初参加向けに本の作り方勉強会を開催してます https://techbookfest.connpass.com/